Home / 放射能 / 藤田祐幸先生コアな学習会 原発を学ぶ
genkai

藤田祐幸先生コアな学習会 原発を学ぶ

11月23日(金・祝) Qベク(放射能市民測定室・九州)にて 文:山中 陽子さん

あの日(3・11)を境に世界中の多くの人が原発の本来持つ危険性に気づき、自ら学び始めました。しかし、原発をトータルに学ぶとなると2時間の講演会では時間が足りません。そこで一度たっぷりと学ぶ機会を作りたいと思いこの「コアな学習会」を企画しました。以下、要約させて頂きます。

話は一気に今度の選挙からスタートしました。メディアは十年一日のごとく「自民」と「民主」と少し目新しさを加えて「維新の党」の三党の椅子取りゲームのように流していますが、3・11後初の選挙ですから原発を語らないのは作為です。そこで、市民の側から脱原発立候補者をつないでいこうという動きの紹介。

nihon

電力化亡国論 近藤邦明著より/不知火書房発行

続いて、原発は安全に運転できるなら動かしてもいいのかという根源的な話に入りました。技術論ならば、ここが危なければ手を入れ、あっちが危ないとわかればまた手を入れして「だから運転」という話になるのですが、被ばくしながら働く人がいなければ動かせず、10万年、100万年と遡ればネアンデルタール人までいく時間がたっても元に戻れない放射能を作りだす原発は、「道義的に存在してはならない」。ドイツのメルケル首相は自身物理学者・原発推進派であったにもかかわらず、福島原発事故の汚染図から放射能の80%は東へ(海へ)流れたこと、もしこれがフランスの事故だったらドイツはひとたまりもないことを察知し、まずは自国から脱原発と決心、国内の哲学者、宗教者、社会学者による委員会を開かせた。(この地図からは玄海で事故が起きたら福岡が大打撃を受けることも読み取れる。)当事国である日本で経済を理由に原発を続行させようとするとは何たること。

道義や倫理に蓋をすれば人は何でもできる。たとえば、年間1mSv(ミリシーベルト)が被ばく限度であったものを20mSvと上げることもできる。

この1mSvというリスク評価の数値はナガサキ、ヒロシマの被爆者をアメリカが追跡調査して得た数値が元になった、いわば被爆者の犠牲を踏み台にして定められてきたものなのに、それを簡単に踏みにじってしまったのだ。

311で原発が止まって1年9ヶ月、電気は足りないといいながら何の対策もとらなかったのもおかしい。効率のいいガスコンバインドサイクル発電設備など1年もあれば十分建設できていた。

将来自然エネルギーをメインにして行くとしても即代替とはいかない。エネルギー効率のいい設備をつなぎに使えばいい。

一方で,目下の急務は、高レベル放射性廃棄物の問題と福島原発をどう始末をつけるか。毎日3000人があの福島で働いている。放射能を浴びながら・・・

そして、汚染地帯の農民を非汚染地帯に移住していただいて、九州なり四国なりを将来の日本の食糧を支える地域に特化していく。

原発事故はエコロジカルクライシス(生態系の破局)を引き起こす。地球の生命系というのは植物が太陽のエネルギーから光合成で炭素を有機炭素に替え、それをさまざまな生物が消費し、微生物が分解して再び無機炭素に変えて炭酸ガスを植物が太陽のエネルギーでもう一度光合成して炭水化物にして、そういう循環で地球の生命は支えられている訳ですが、最も重要な役割をする微生物が放射能を凝集する。そしてこのシステムの中に一旦放射能が入ってしまったらそこから出て行かない。こうして生態系の破局が始まる。

世代的な責任というのは縄文以来今日まで先祖が守り育ててきた自然を将来へ豊かにしながら子孫へ伝えていくというもの。しかしここへ放射能を入れてしまい、汚染して伝えていくことになった。

ソ連邦の崩壊を目の当たりにした。国は滅びるのだ。しかし放射能は消えない。国が消えた生き物の世界に於いて何をしなければならないのか。

昨日のように今日があるという連続性こそがもっとも大事なのだ。

「真の文明は山を荒らさず、川を荒らさず、村を破らず、人を殺さざるべし」 田中正造

 

***** 藤田祐幸氏プロフィール *****

fujita

千葉県生まれ。1966年、東京都立大学物理学科卒業。1972年、東京都立大学大学院理学研究科物理学専攻博士課程修了。1972年より慶応義塾大学法学部教員、のち物理学教室助教授。エントロピー論、科学哲学専攻。

スリーマイル島原発事故をきっかけに、立身出世や自分の興味からの物理学の研究を放棄して、原子力の問題をライフワークにしよう、市民とともにある科学者の道を選ぼうと決意。

原子力発電や被曝労働の実態調査、チェルノブイリ原発周辺の汚染地域の調査(1990~93年)、セルビア、コソボ、ボスニアでの劣化ウラン弾の調査(1999年、2000年)、バグダッドとバスラでの劣化ウラン弾による被害状況と環境汚染の現地調査(2003年)などに取り組んだ。

原発震災を避けるため、2007年に住み慣れた関東から長崎県に移住。農業を営む傍ら、長崎県立大学シーボルト校非常勤講師を務める。

About earth

earth
環境啓発団体 地球のめぐみは、福岡県NPO・ボランティアセンターや福岡市NPO・ボランティア交流センター、福岡市人権啓発センター、新宮町公益認定団体に登録し、活動している任意団体です。地球にやさしい、人にやさしい、そして財布にもやさしい暮らしを皆様にお伝えし、今日からできることをしていきましょうと、エコロジーな暮らしをひろめる活動(セミナー開催、会報発行など)をしています。応援よろしくお願いします。

Check Also

tokai

関東の放射能汚染 神原 将

2014 年春。広島県にて、と …

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です