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関東の放射能汚染 神原 将

2014 年春。広島県にて、とある専門医療関係のフォーラムが開催された。そのフォーラムに講師として出席した医師のひとりS 医師が、楽屋にて多くの医療関係者が挨拶に訪れる中、ある事実を発表した。

「関東の2 人に1 人がストロンチウムに人体汚染されていることが分かりました。 またそのなかの多くの方からプルトニウム汚染も見つかりました」

S 医師は、都内大学病院に所属しており、独自にここ2 年間人知れず通院してくる患者の協力を得て、人体汚染を調査してきたという。そのきっかけは、S 医師が自身の専門分野である研究の延長上として「放射能被曝と老化現象」を調査研究しようと考えたからだ。

2人に1人というのは、来院する患者が関東の広い地域に分布していること、ある一定数の調査人数から統計的に割り出した結果とのこと。2人に1人というのはショッキングな結果だ。
私は、S 医師のこの調査のことを、新聞やテレビ、週刊誌などで発表したい旨を伝えているが、ひと月以上が経過した現在も良い返答はもらえていない。

同フォーラムに出席し、S 医師の発表を聞いた別の腎臓内科の専門医は次のように話す。

「特定秘密保護法が足かせになる場合もあるし、内部被曝の現状を赤裸々に発表してしまうと、業界内外から圧力があるのは避けられないだろう。S 医師も迷うところ。同じ医師として、現状を発表するのも大事だけれどこのまま調査研究を続けてもらい、さらなる事実解明に時間を費やして欲しいという気持ちもある。 神原さんは、S 医師か ら立ち聞きしたということで、資料やソースまでは示せないけれどこの話は事実あったものとして、意識の高い方々にそれとなく知らせる ことはしてもいいのではないですか。S 医師が『調査からすれば東京には若い世代は少なくとも暮らせない。もちろん年輩者たちも同じです』と話していた通り、危機感を伝える必要性はあると思う」

放射能による人体汚染を調査するためには、いろいろな方法がある。爪、髪の毛、歯、血液検査、尿検査、細胞診、ホールボディカウンターによる簡易測定などです。またS 医師と繋がりのある医師らもまた、考えられる限りのあらゆる調査研究を継続的にしており、海外の医師らとの情報交換、技術交流も盛んに行い、精度を高めていくためにさらなる追加検査も行うようだ。

このように、S 医師が調査したストロンチウムの人体汚染が、ある割合で関東の広い地域で予測されているのはどういう理由からだろうか。
S 医師自身には追跡調査について回答を得られていないが、この発表を知った四国の別の医師によると、「水道水、もしくは野菜、または塩ではないだろうか」という。

311 以後空から降ってきた放射能については、関東の場合、柏や葛飾など一部地域において高線量の汚染が分かっているが、他の地域については、そこまでの汚染はあまり見つかっていない。となれば、空から降ってくる放射能の影響とは断定しにくい。 水道水であれば、上流の水源が汚染されただけで、その水源に依存する広範囲の地域に影響がある。流通に乗る野菜などの食材も同様のことが考えられるというわけだ。何より、ストロンチウムは水に溶けやすいことが分かっている。

もしも、福島第一原発で未だに溢れ続ける地下水が、関東が依存する水源に到達していると したら? 地上に湧き出て、蒸気となり、雨雲として地上に降っているとしたら?

ストロンチウムは、セシウムよりも脅威とされる。なぜなら、水に溶けてしまう。水を媒介して広く拡散、汚染するのだ。また、代謝によって尿や便などから排出されるセシウムに比べて、ストロンチウムは一度体内に取り込まれると骨に沈着などし、体外にはほとんど排出されない。つまり累積され、いわゆる内部被曝が続くことになると予想される。

福島第一原発の地下水を汚染する放射能のなかにストロンチウムが含まれているのは疑いようのない事実だろう。それがこの三年間、地下を通り抜け関東圏の水源を侵してしまった、その結果、S 医師の調査した人体汚染の結果に繋がるのではないだろうか。

このことはあくまでも、私個人の予測でしかないが、いずれにせよ、地下水の汚染を止められないまま時間だけが過ぎていけば、遅かれ早かれ、そうした事態は現実のものになってしまうのだ。

避難、移住について今一度考える

汚染水から身を守ることは容易ではないだろう。人の体の7~8 割は水というくらいのものだから、何かと水を摂取する必要があるし、体内にためこんでしまう。そのなかにストロンチウムが溶けていたら…地下水の汚染を考えると、何より汚染地点からできるだけ遠い場所に移動するのが一番の防護といえるだろう。さらに言えば、地下水を汲み上げて製造されている冷凍食品など加工食品も多い。そうしたものもできるだけ消費しない、自分の暮らす地域には持ち込まないように心がけていきたい。水を媒介して汚染は広がっていく。それを防がなければならない。

ストロンチウムによる人体汚染や、福島第一原発から地下汚染水が広がることが広く知られるようになったら、311 直後のように、避難や移住について改めて考える家族がでてくるでしょう。ここまできても無関心な人には、何を言っても通じないかもしれないし、無理強いするわけにもいかない。しかし、気持ちが揺れている人の背中は押してあげたい。

私は2012 年4 月に我が家の家族4 人が世田谷から広島に移住をした経緯を『原発引っ越し』 に綴ったわけですが、今年5 月16 日に『HOME』というタイトルの新刊を発表した。
home
この本は、実際に取材をした10 人の311 避難者にスポットをあてて、それぞれの立場で経験したこと、感じたことを赤裸々に綴ってある。ひとつずつの話は短編で短いが、そこに記された内容には深いテーマが込められている。他の家族はどんな気持ちで避難を決断したのか、また避難を終えたあと、どんな気持ちで過ごしているのか。中学生くらいの若い人も読めるように、とても分かりやすく描いている。出来れば、東日本に暮らす友人や地人で、気持ちの揺れている方がいれば、この本を一度手にとって(回し読みでもいいです)読んでもらいたいと願う。

さらにいえば、今年の夏休みを利用して西日本に保養に行きたい、または避難移住のための下見をしたいと考える家族もいることだろう。この本を通じて311 避難者らの思いを共有し、そうした人たちの支援活動が今度も続けて出来るように、改めて西日本の支援団体、個人のみなさんには、危機感を感じながら寛容な気持ちで力を発揮して欲しいと思っている。最後に、S 医師の名前が実名で紙面に記載出来ないことは残念だが、事情を汲み取っていただければ幸いだ。(了)

sick

(著者調査資料より)
ある救急病棟での救急患者の様子(ある3 日間で医師が診断した病名の一覧写真)
勤務医も実感するほど、脳疾病、心疾病が増えている。
甲状腺の異常も出てきている。人体汚染が広がりつつあるのではないか(筆者感想)

 

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